2016年9月9日金曜日

TestDaFを解く2 Mündlicher Ausdruckを実際に解いてみよう Aufgabe1

Grüß Sie!!


前回は、Mündlicher Ausdruck(以下、MA)の対策として、Aufgabe1からAufgabe7までの全問の設問分析をしてみました。
今回は実際に問題を解いてみましょう!
また、トレーニングの際は前回の分析を何度も参考にしてください。

用意するもの

  1. ストップウォッチ
  2. TestDaF ModellSatz 02(印刷用のリンク音声のリンク
  3. 携帯電話などの録音機能
1) テスト会場には腕時計の持ち込みが許可されています。準備時間はいくら残っているのか、自分が話せるのは後どれくらいなのか、私自身は腕時計についているストップウォッチ機能で確認していました。テスト準備の際も常に時間を計りながら各設問の時間感覚を掴んでいきましょう。
2) TestDaFサイトには模擬テストが2つ無料公開されています。積極的に活用していきましょう。
3) MAの準備で一番効果的だと感じたのは、自分の回答を録音して聞くことです。私も「自分の声って思ってたより変」などと落ち込みますが、効果はあるので本当にオススメです!録音しているという緊張感から、メンタルも鍛えられます笑

Aufgabe1を解いてみる

「えっ、いきなり?」と思うかもしれませんが、習うより慣れろということでやってみましょう。
「ちょっとまだ準備が・・・」いいえ、完璧な答えはここでは要りません。

とにかくやってみましょう、準備はいいですか??

簡単におさらいすると、Aufgabe1では"Informationen einholen"することが求められます。
  • 対話の相手は1人
  • 相手のことは知らないため、呼称は"Sie"を用いる。
  • 話す内容は自己紹介電話の理由問い合わせの質問
  • 準備時間は30秒
  • 回答時間も30秒
  • レベルはTDN3、口の準備運動的な位置づけの簡単な問題。
それでは解いてみましょう。
上記のリンクに飛ぶと試験音声が流れます。音声の4分過ぎからAufgabe1がはじまります。
最初に問題文が読み上げられた後に準備時間が始まりその後、電話の音がして女性の声で
"Sprachenzentrum. Ingrid Weber, guten Tag."
と聞こえたところから、自分が話し始めます。もし、可能なら回答を録音してみてくださいね。

Aufgabe1を解いてみて

いかがでしたか?
結構緊張しませんでした?私は最初すごく緊張しました笑
そして、30秒という回答時間は思ったよりも短いことを思い知り、録音を聞いて自分が無意識に"ja..."ばかり言っていることに愕然としました笑(恥ずかしすぎて速攻で削除したくなりますが、データ残しておいてくださいね)

試験形式に早く慣れよう

落ち込んでいる皆さん、大丈夫です。まずはこの試験の形式に慣れることから始めましょう。TestDaFを受験するのはドイツ語に長く親しんでいる方が多いと思います。従ってうまく行かなかった理由は、「話せない」のではなくて、単純に「この形式に慣れていない」だけではないでしょうか。
他の試験、例えばGoethe-Zertifikatでは、受験者が二人一組で相談したり、プレゼンする様子をその場に居る試験官が採点する方式です。問題の意図がわからない場合、試験官に聞くこともできますし、内容がズレていれば質問しなおしてくれる場合もあります。制限時間も結構適当です。
しかし、TestDaFに於いては自分の回答に相槌を打ってくれる相手はいません。時間内に話し終えなければいけません。この、

  1. 誰も聞いてないのに、
  2. 時間に追われながら、
  3. 相手の返事をきかず、
  4. 機械に向かって一方的に話す
という形式がTestDaFのMAを難しくしています。
なので苦手意識は持たず、TestDaFの形式に慣れることを目指してトレーニングしていきましょう。一度慣れてしまえば、意外と簡単です。
そして、意外に話せたという皆さんはMAでTDN5目指しましょう!!

Aufgabe1の解説

実際に問題を見ていきます。ポイントになるのは以下の3つです。
  1. 問題文のマーキング
  2. メモを取る
  3. 回答のテンプレート

1) 問題文のマーキング -「状況を把握せよ!」-
問題用紙に印刷されている問題文がそっくりそのまま読み上げられます。この時に重要な情報をマークしましょう。試験会場にはボールペンの他にもマーカーの持ち込みが許可されています。読み返す時間はないので、一度で必要な情報を頭に入れます。
  1. 自分は誰か?
  2. 何をしようとしているのか?
  3. 誰と話しているのか?
  4. 何が問われているのか?
実際にやってみましょう。見やすいように、Schlüsselwörterだけマークしましょう。

Situationsbeschreibung
"Sie studieren an einer deutschen Hochschule und möchten neben dem Studium Ihr Deutsch in einem Sprachkurs verbessern. Sie rufen deshalb im Sprachenzentrum Ihrer Hochschule an." 
Aufgabenstellung
Stellen Sie sich vor.Sagen Sie, warum Sie anrufen.
Fragen Sie nach Einzelheiten zum Sprachkursangebot. 
Quelle: Mündlicher Ausdruck Modellsatz 02 (TestDaF)

 マークした情報を整理すると

  1. 自分はドイツの学生
  2. 語学コースでドイツ語の改善をしたい
  3. 語学センター(Sprachenzentrum)のおそらく受付
  4. 自己紹介、電話した理由、コースについて問い合わせの3つが問われている
これで状況が整理されましたね。
今回は、実際にドイツで大学に通い始めたらいかにも起こりそうな状況です。


2) メモを取る -「点数は話す前に決まっている!」-
自分が話す内容を全て文字起こししようと、「いかに早くメモを書くか」トレーニングしていたロシア人の友達を私は知っています笑
この設問にかぎらず、MA全問を通してそれは不可能なので要点をまとめる練習をしましょう。
私は頭のなかで考えていきなり話すタイプだったのですが、本番で点が取れなかったためメモを取る練習をしました。
効果は、
  • 話す内容が整理される
  • 回答漏れが防げる
  • (自分の字が汚くて読めなくて焦る、、orz)
など絶大でした。

それでは実際に話す内容を考えながらメモを取ります。
自己紹介、電話の理由は示された設定通りですので、メモは必要ないでしょう。
問題はドイツ語コースに関する問い合わせを自分で考えなくてはいけません。そしてこれを30秒で考えるのは意外と難しいのです。
なので、事前にある程度の枠組みを考えておくと役に立つかもしれません。たとえば、
  • 時:コースはいつから始まるか?何曜日?時間帯は?
  • カネ:コースの料金は?学生向けの割引はあるのか?
  • 人:コースの規模は?申し込みはどのようにするか?
  • もの:学術用語の語彙を増やす特別コースはないか?
などなど、様々な状況に対応できるように考える切り口を用意しておきましょう。ほかにも、いわゆる英語の5W1Hなどいろいろあると思います。
これらの切り口にそって、簡潔に質問内容をメモします。自分の理解できる範囲で、記号や省略も活用します。


3) 回答のテンプレートを活用する -Redemittel-
このような試験にはもはや欠かせないテンプレートを活用しましょう。
テンプレートがあることで聞き手も話の流れを追いやすくなります。
以下に例をいくつか挙げます。

自己紹介
a) Guten Tag. Mein Name ist Takeda.
b) Ich heiße Kohei Yamada.
気をつけたいのは、Mein Name ist + VornameはOK
Ich heiße Vornameはちょっと変だということ。
ベストなのは、a)でもb)でもVornameとNachnameを言うこと、そう、Vollnameです。
気をつけていないと"Ich heiße Yamada."って言いそうになりませんか?

電話の理由
Ich rufe an, weil ...
Ich möchte mich über ... informieren.
コースの問い合わせ
Ich würde gerne wissen, ...
Könnten Sie mir vielleicht sagen, ...
知らない人に電話で話すので、当然あれを使います。そう、Konjunktiv Ⅱです。
また相手はSieと呼びます。
例文の後には間接疑問文、indirekte Frageが続きます。


トレーニング方法その1 -納得できるまで何度も同じ問題に取り組もう!-

時間が足りない、言い間違え(文法、発音など)、何を言えばいいのかわからない、など最初のうちは満足いく回答はできないかもしれません。
納得の行く回答ができるまで、何度も同じ問題に取り組んでみてください。
必ず毎回録音してくださいね!



トレーニング方法その2 -録音した回答を自己採点してみよう!-

自分の回答を聞くことで、自分の回答の癖がわかります。
採点のポイントは以下になります。
  • 聞き手に聴きやすいか?:声のボリューム、発音
  • 聞き手にわかりやすいか?:話が飛んでいないか?話についていけるか?
  • シチュエーションを理解しているか?:相手をどう呼んでいるか?
  • 語彙:同じ言葉を多用していないか?状況にあった言葉を使えているか?
  • 文法など:相手が意味を理解できる範囲の、多少の間違えは問題ない。
  • 求められたことはできたか?:漏れているAufgabenstellungはないか?
以上のことを意識しながら自分の回答を聴いてみます。
その後新しい回答を録音してみましょう。
トレーニング1と2を何度か繰り返すだけで、驚くほど効果があります。


トレーニング方法その3 - 納得できる回答を一度書いてみよう! -

なかなかうまく話せないなと思ったら、自分にとっての模範解答を一度書いてみましょう。
落ち着いて一度文字に起こしてみることで、どのように回答を組み立てるかを整理できます。
以下は参考までに私が書いてみた回答です。模範解答ではありません。
ご自身の回答を作成する際のたたき台にしてください。
Guten Tag, mein Name ist Taro Yamada. Ich bin ausländischer Student Ihrer Hochschule und möchte einen Deutschkurs besuchen. Könnten Sie mir vielleicht ein paar Fragen dazu beantworten?
Ich würde gerne wissen, ob es einen speziellen Deutschkurs für die ausländischen Studierenden gibt.
Zudem hätte ich gern gewusst, wann solcher Deutschkurs stattfindet und was er kostet.
Außerdem möchte ich mich auch erkundigen, ob es eine Ermäßigung gibt.
Vielen Dank.
意識したことは、以下の3点です。
  1. 相手をしっかりと"Sie"と呼ぶ
  2. 丁寧になるようにKonjunktivⅡを用いる
  3. 文と文をつなぐために"Und"を多用しないようにいろいろな表現を使う
上の参考回答を、試験本番に私ができるかと聞かれると、「無理です」と即答します。初見の問題では、話しながら考えなければいけないこともあるでしょうから、口癖の"ja.."が口をついてくるでしょう。30秒にまとめようと思ったら、直接疑問文も混ざってきてしまうでしょう。質問を3つもできないかもしれません。


あることを理解してからMAが得意になった

何度も録音していると、電話相手のFrau Weberが友人のように思えてきませんか?笑
これは実は大事なことなんです。

えっ?何を言ってるの?と思いますよね。決して怪しいものではございません。
何を言いたいかというと、
現実は「機械に向かって回答を吹き込んでいるだけ」ですが
自分のテンションは「実際に相手と会話している」つもりになる!
これを意識しだしたら、MAが得意になりました。(嘘っぽいですが、本当です)

正しく話したい私達日本人は、試験になると緊張して、話に抑揚がなくなり、結果相手にとって聞き取りにくい回答になりがちです。
しかし、「問題に回答している」ではなく「誰かと話している」と考えると、
話を振られた時に、少し相槌を打って反応してみたり、話す抑揚やテンポが自然になります。
そのため、いかにも「TestDaFの問題解いてます」な回答よりも自然に聞こえ、理解しやすくなります。
いわゆる"authentisch"というやつです!


まとめ

  • 自分の回答を録音する
  • 問題文の必要な情報をマークする
  • シチュエーションの理解度で答えが決まる
  • 考えの整理にメモは有効
  • Redemittelを活用する、自分のお気に入りを覚えておく
  • 録音した回答を自分で採点してみる
  • 回答を録音→自己採点をある程度納得がいくまで繰り返す
  • 回答を書いてみるのも考えを整理するのに効果がある
  • 「さも、実際に電話で話しているかのように」を目指す


それでは、Tschüss!!

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